脂質(脂肪酸)について

ダイエットをする上で、悪者扱いされる脂質。
でもこの脂質は、人間が生きていくために必要な3大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)のうちの1つでもあります。
脂質のことを良く知って、上手に付き合えばダイエットにもきっと役立ちますね。
今回は、脂質についてみていきましょう。
目次
脂質とは
脂質は、肉の脂身(ラード)やバターなど常温では個体の脂と、コーン油やごま油など常温で液体の油があります。
体を動かすエネルギー源で、少量で多くのエネルギーを出すのです。
貯蔵に適しているのですが、そのため摂り過ぎは太る原因にもなります。
脂質の働き
脂質は、効率の良いエネルギー源です。
1gで9kcalのエネルギーを持っています。
使われないエネルギーは、中性脂肪(体脂肪)となって蓄えられ、必要に応じて使われるのです。
この体脂肪は、体温の維持や、内臓を守るクッションの役割を果たします。
また脂質は、脂溶性のビタミンの吸収のサポートをしたり、細胞膜やホルモンなどの材料になったりするのです。
とかく悪者にされがちですが、3大栄養素の1つだけあって、重要な役割を持っています。
脂質はどれくらい摂ったらよい
この脂質ですが、1日の摂取量はどのくらい必要なのでしょうか?
日本人の食事摂取基準(2015年版厚生労働省より)によると、1日の摂取エネルギーの20~30%を脂質からとるのが良いとされています。
現在は、食事の欧米化が進んだことで、脂質を摂り過ぎる傾向になってきました。
また、極端なダイエットで脂質を控え過ぎてしまうことも・・・
脂質の過剰や欠乏は、どのような症状が出てくるのでしょうか?
脂質の摂り過ぎと欠乏
欠乏した場合
エネルギー不足になり、脂溶性のビタミン(A、D、E、K)の吸収も悪くなります。
疲れやすく、肌荒れ、便秘などをおこしやすくなり、女性は月経不順になることも・・・。
体が不調になりやすいのです。
≫ビタミンの種類と働き
過剰の場合
体脂肪が蓄積して、肥満になります。
血中の脂質のバランスが悪くなり、動脈硬化や高脂血症(脂質異常症)、メタボリックシンドロームなど生活習慣病のリスクが高まるのです。
脂質は大切な栄養素ですが、とり過ぎ、欠乏ともに注意が必要になります。
脂肪酸とは
脂質に似た言葉で、「脂肪酸」というものがあります。
この脂肪酸は、脂質を構成する成分です。
構造の違いでいくつかのタイプがあり、働きも違います。
大きく分けて、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。
脂肪酸の種類と働き
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、乳製品や肉の脂身に多く、一部の植物などに含まれています。
エネルギーとして使われ、中性脂肪やコレステロールの原料になるのです。
そのため、とり過ぎるとコレステロールなど血中の脂質バランスが崩れ、生活習慣病のリスクが高まります。
脂肪酸 | 含まれる食品 |
---|---|
酪酸 | 牛乳、バター、チーズなど |
ミリスチン酸 | ヤシ油、ココナッツなど |
パルミチン酸 | パーム油など |
ステアリン酸 | ラードや豚の脂身、ココアバターなど |
アラキジン酸 | ピーナッツ油(落花生油)など |
不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸は、主に植物や魚の脂身に多く含まれます。
構造の違いで、n-3系(オメガ3脂肪酸)、n-6系(オメガ6脂肪酸)、n-9系(オメガ9脂肪酸)などがあり、さまざまな働きをするのです。
主な働きは
- 悪玉(LDL)コレステロールを減らして、善玉(HDL)コレステロールを増やす
- 動脈硬化なのど背活習慣病の予防
- 中性脂肪を減らす
- 血栓ができるのを防ぐ
- 記憶力向上
などです。
分類 | 脂肪酸 | 含まれる食品 |
---|---|---|
n-3系(オメガ3脂肪酸) | α-リノレン酸 | グリーンナッツオイル、 しそ油、エゴマ油、 くるみ、チアシードなど |
エイコサペンタエン酸(EPA) | 青背の魚など | |
ドコサヘキサエン酸(DHA) | 青背の魚など | |
n-6系(オメガ6脂肪酸) | リノール酸 | ひまわり油、とうもろこし油など |
アラキドン酸 | 肝油、魚油、卵など | |
n-9系(オメガ9脂肪酸) | オレイン酸 | ひまわり油、オリーブ油など |
必須脂肪酸
不飽和脂肪酸の中には、体内で合成できないものがあり、それを必須脂肪酸といいます。
n-3系(オメガ3脂肪酸)とn-6系(オメガ6脂肪酸)が必須脂肪酸です。
これらは、体で作ることができないため、食品からとるようにしましょう。
トランス脂肪酸
また不飽和脂肪酸の中に、トランス脂肪酸というものがあります。
トランス脂肪酸は、天然の食品に少量含まれますが、多くは油脂などを精製したり、加工したりする過程でできるものです。
このトランス脂肪酸はとり過ぎると、中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールを増やし、善玉(HDL)コレステロールを減らすことが報告されています。
また、これらを多くとっていると、心臓疾患などのリスクが高まるのです。
とり過ぎには注意が必要で、総エネルギーの1%未満が目安になっています。
脂肪酸の長さで分類
脂肪酸の炭素結合の長さの違いでも分類できます。
炭素結合が多いものから「長鎖脂肪酸」「中鎖脂肪酸」「短鎖脂肪酸」と3つに分類されます。
長鎖脂肪酸に比べると中鎖脂肪酸は、短いために消化吸収が早いのです。
そのため、体脂肪になりくいといわれています。
最近注目のココナッツオイルは、この中鎖脂肪酸が60%ほど含まれていて、100%の中鎖脂肪酸でできたオイルはMCT(Medium Chain Triglyceride)オイルと呼ばれます。
体に良い脂でも、とり過ぎは良くありません。
食事全体に占める脂の割合などを見ていくようにしましょう。
また脂ものを取る時は、野菜など食物繊維が豊富なものと合わせると、コレステロールや脂肪の吸収を抑える効果を発揮してくれます。
昨今では、脂マネジメントなどといって、脂の摂取量を自己管理する動きもあります。
脂のことを知って、バランスの良い食事や適度な運動を心がけて、脂肪とうまく付き合ってダイエットしていきましょう!
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